
監督はクビになるために雇われる――これは今年3月に亡くなった野球記者の大先輩で名コラムニストだった馬立勝さん(NPBの法規部長としても活躍された)が、パ・リーグ広報部長だったパンチョ・伊東一雄さん(故人)と共著で出した「野球は言葉のスポーツ」(中公新書・絶版)に出てくるメジャーリーグの「格言」だ。
格言通りに今年のNPBでも、何人かの監督が“クビ”となった。シーズン中に事実上の解任となった西武・松井稼頭央監督とその後任として監督代行となった渡辺久信GMも成績不振から退任することになった。低迷するチーム立て直しの切り札と言われた中日・立浪和義監督も、3年でユニフォームを脱ぐことになり、“アレンパ”を逃した阪神・岡田彰布監督の退任報道までもが流れた。
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photograph by JIJI PRESS
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- #99カガワから香川へ。背番号8、大阪に帰還す。
- #98『人気のセ、実力のパ』が野球殿堂入りにも影を落とす~バースとブーマーの得票を考えて~
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- #94MVPは大谷ではなくジャッジ。その理由は2つある。
- #93村田兆治、72歳、逮捕。それは「空港」で起こった。
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- #87ウェールズ、W杯へ。ここに、いまなお。
- #86「そこに人がいるからドラマは生まれる」ロッテ・佐々木朗希に詰め寄った白井一行審判への批判で考える「AI審判導入で面白くなる?」
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- #77WTAの決断と怒れる女性の歌。
- #76譲らなかった必勝の芯。名将・古葉竹識を悼む。
- #75スポーツ選手と文化勲章。
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- #71強さも弱さもありのままで。
- #70「また、こいよ」の捨てがたき郷愁。
- #69テレビ中継が大切だから。
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- #64スポーツにおける「老境」とは?~苦しく恵まれた“老い”という特権~
- #63「五輪を失いたくない」とも言える社会を。~アスリートたちの偽らざる気持ち~
- #62ちょうどよい熱の伝え方。~松山英樹のマスターズ制覇に聞いた「無音に近い嗚咽」~
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- #60聖火リレーは何を告げるか。~炎の運ばれる様子でわかること~
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- #58かっこいいのか、悪いのか。~「スポーツは男性のもの」という無意識を~
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- #55五郎丸歩はじたばたしなかった。~両の手の指を組む「ポーズ」を消した生き方~
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- #51ドラフト5位と野球のすそ野。~プロに至る道をたどって~
- #50守られるべきルールとモラル。~阪神・矢野監督の行いと“トリキ錬金術”との共通点~
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- #45猫とマイケルを狙うプロの技。 ~カメラマンの資質とは何か~
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- #37「ナンバー17」があってよかった。 ~初めて買ったナンバーの記憶~
- #36見えない敵と戦うために。 ~プロ野球とJリーグの異例の協力~
- #35人の死をいかに語るか。 ~死者を鞭打つな、の正当性~
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- #31「ミョウジン」と呼べばよいのだ。 ~明神智和という希少な存在感~
- #302020年のスマイルウォーズ。 ~渋野日向子が直面する難問~
- #29「ああしておけば」は未練ではなく未来。 ~エディーの言葉に思う後悔の価値~
- #28「選手ファースト」の真の意味とは? ~東京五輪のマラソン札幌移転について~
- #27よく生きるための痛恨の学び。 ~ラグビーは「人生の学校」だ~
- #26筒香嘉智のやる気スイッチ。 ~衛星放送でボンズを観た日~
- #25ああW杯がやってきた。 ~日本を非日常が覆う1カ月半~
- #24鳥谷敬の引退騒動とプロ野球選手の“聖域”。 ~サラリーマンとは違う最後の決め方~
- #23笑わなくても渋野日向子。 ~周囲の期待との付き合い方~
- #221000勝監督原辰徳の大きな黒星。 ~2003年、突然の辞任の3日前~
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