フォルティッシモからピアニッシモへ。スポーツライター出身の作家、ポール・ギャリコがゴルフをそう書いている。著書の『ゴールデン・ピープル』(王国社)に見つけた。
音楽にたとえて「非常に強く」から「非常に弱く」へ。実に的確な表現である。しかも、しゃれている。遠くへ球を飛ばすことで各ホールは始まり、ちっぽけな穴にコトリと消えて終わる。
2021年4月、現地時間の11日、米国ジョージア州オーガスタ発の快挙、耳を澄ませたピアニッシモの先に嗚咽の重奏があった。
松山英樹、マスターズ制覇。なるほど人間とは大事を成した直後にはこんな表情になるのか。簡単な形容を許さぬ風情をTBS系列の放送に眺める。
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photograph by KYODO