東京五輪の取材をしていて痛切に感じるのは、観客の存在の大きさだった。無観客で歓声のないスタジアム。臨場感もなく、どこか無機質で感動の質すら変わってしまうような気もしてくる。しかも野球の試合を観る記者席はバックネット裏最上段で、選手は豆粒だ。
実は現場取材の記者も、ほぼ試合はモニターで観ている。もちろん球場でしか確認できないことも多く、現場取材は不可欠だ。ただ投手の投球や打席の選手の細かな動きは、記者席の画面で確認する方がはるかに分かりやすい。
これはファンにも言えることで、そういう意味ではコロナ禍の五輪はテレビとスポーツの親和性をより一層、クローズアップすることになった。しかもそこにいい解説者がいれば、テレビは最高のエンターテイメントになっていく。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by KYODO