野球は名将よりも大きい。一例で野村克也監督のシダックスは強くはなったが日本一に届かなかった。
プロをよく勝たせた老獪で鋭敏な人物がアマチュアに舞い降りてもそうなのだ。
新庄剛志。指導経験のない新任監督が前年はリーグ5位のチームを率いて連勝また連勝では野球は野球でなくなる。開幕11戦で2勝9敗。北海道日本ハムファイターズの黒星の並びはニュースではない。選んだ側はきっと織り込み済みだろう。
「優勝なんかめざしません」
「夢はでっかく、根は太く」
監督就任会見での発言である。低迷しているのだから目先の戦績より「根」の醸成。間違いではあるまい。ただし選手やスタッフの心理の観点では、そのシーズンに高みをめざしてこそ5位は3位になる。このあたりの均衡は簡単ではない。育成をアリバイに用いると育成にならない。厳しく勝利を求めて試すから人は育つ。
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photograph by KYODO