#1070

記事を
ブックマークする

ふんわり浮いて世界を変えた、ある“やせっぽち”の独創。

2023/04/06
ベリーロールのライバルたちを蹴散らし2m24cmでメキシコ五輪金メダル。「フォズの魔法使い」とも呼ばれた

 弱さを強みに変えた。奇策は正統となった。やせっぽちのその人は確実にスポーツの歴史をふくよかにした。

 ディック・フォスベリー。

 1968年、メキシコシティーにおけるオリンピックの走高跳びのチャンピオンである。この3月12日、病の再発により雲の上へ向かった。76歳だった。

 背面跳びを考案した。それまでは腹で巻き込むように越えるベリーロールが常識とされた。

 ざっと60年前、米国のオレゴン州メドフォードの高校の陸上競技部員、ディックことリチャード・ダグラス・フォスベリーは、平凡な記録をなんとかしようと従来の形をあれこれといじっていた。

会員になると続きをお読みいただけます。
オリジナル動画も見放題、
会員サービスの詳細はこちら
キャンペーン終了まで時間
特製トートバッグ付き!

「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています

photograph by Getty Images

0

0

0

前記事 次記事