弱さを強みに変えた。奇策は正統となった。やせっぽちのその人は確実にスポーツの歴史をふくよかにした。
ディック・フォスベリー。
1968年、メキシコシティーにおけるオリンピックの走高跳びのチャンピオンである。この3月12日、病の再発により雲の上へ向かった。76歳だった。
背面跳びを考案した。それまでは腹で巻き込むように越えるベリーロールが常識とされた。
ざっと60年前、米国のオレゴン州メドフォードの高校の陸上競技部員、ディックことリチャード・ダグラス・フォスベリーは、平凡な記録をなんとかしようと従来の形をあれこれといじっていた。
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