いじめが暴力を中和する。あるいはバイオレンスの発覚によってハラスメントの実態があぶり出される。
真ん中に取り残されるのは、ひとりの有為な少女である。たとえのままに「はちきれそうな」活力をたたえた体操選手の着地を認められぬ視線。悲劇だ。
13年前。週刊誌の仕事で、いまは亡き俳優、小沢昭一さんの話を聞いた。テレビのお笑いを「あれはコンビニですから売れない商品はすぐやめんのね。大器晩成には適さないメディア」と評し、こう続けた。「でもテレビはね、そこに出てくる人間の品性だけは映し出す。こわいカラクリです」。
宮川紗江。ゆかや跳馬の得意な18歳が会見の席につく。
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photograph by KYODO