
元横綱・稀勢の里の二所ノ関親方が、6月に「二所ノ関部屋」を開いた。部屋の目標は「全員が関取になること」。そのため弟子たちには何を伝授していくのか? 新連載では、親方が見てきた名力士の技術を解説し、弟子たちの指導につなげていく。第一回は親方自身、「稀勢の里」について。
中学を卒業し、私が鳴戸部屋に入門してからの10年間、親方(元横綱・隆の里)に言われ続けたのは「まわしを取るな」のひと言です。みなさんにしてみれば、びっくりですよね。相撲なのに。稽古場でまわしを取ることは絶対に許されませんでした。
その心はなにか。親方の考え方としては「四つ相撲はいつでも取れる。そのかわり、突き押しの威力、馬力は若い時にしか鍛えられない」というものでした。私はその姿勢を徹底した結果、本場所では馬力を生かし、差し身を取る形で番付を駆け上がりました。親方の教えは正しかったのです。
自分の経験では、対戦相手の技術がいくら高くても、馬力がなければ恐れるに足らずという印象でした。また、四つ相撲はケガのリスクが増します。故障を防ぐ意味でも、押し相撲の徹底は理にかなっています。
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photograph by Takayuki Ino(Illustariton)
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