ひとりをずっと追う。集団競技の観戦の密かな楽しみだ。昔、ある男について実行してみた。
2003年7月26日。国立競技場。午後7時2分キックオフ。
見た。明神智和だけを。
Jリーグ、柏レイソルのゴールドでなくシルバーの光を放つ中盤はあのとき25歳だった。
当時、ずっと「わが格別なるひいき、明神のみを凝視」というプランを練っていた。いよいよ当夜がやってくる。記録を繰ったら、柏はジュビロ磐田に「0-1」で負けていた。そこはどうでもよかった。ただただレイソルの背番号7の途切れぬ攻守を双眼鏡で密着マークした。
結論。しみじみ、いい選手だ。たとえば、こんなふうに。
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