丸、去る。なんと巨人へ。昔の広島ファンなら、激しく憤るか、優しく背中を押すか、どちらかだろう。
現在は違う。違う気がする。
その中間。あるいは外。なんとなく認める。まさか納得をしているわけではないのだが、怒り、あきらめ、どちらとも微妙に異なる境地に感情はひしめく。
そいつを、そうした心の動きを余裕と呼ぼう。さぁキャンプイン、いまセ・リーグの覇者とは、強き者とは、すなわちカープである。
丸佳浩。千葉は勝浦育ちのマル。響きがよい。精悍にも柔和にも映る風貌もまたほどよい。なによりも遠くに飛ばし、着実につなぎ、よく走り、鋭く放る。四球をせしめる選球眼は心憎い。
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photograph by KYODO