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<OBにはヒトラーにインタビューした記者も>東大ラグビー部、ジェントルで、ハードな100年の歩み

2023/05/09
外函に伝統の“スイカジャージ”がデザインされた『百年史』は600ページ超、重さ約1.7kgの鈍器本だ

 ラグビーの歌は勇ましくなくてもよいのだとわかった。

 1996年の9月22日。熊谷ラグビー場。筆者は早稲田大学のコーチをしていた。試合後の交歓会で東京大学の美しく、なんとも静かな英語による部歌『UP,UP!』を初めて聞いた。

 1924年。東京帝国大学文学部講師を務めていた英国の詩人、エドマンド・ブランデンが、ラグビー部の創立者、香山蕃に詩を贈った。アイ・ヒヤー・フロム・ウインターズ・ロング・アゴー……。「はるか昔の冬の寒空に声がこだまする。踏ん張れ。低く前へ」。薄雲の下で楕円の球を追いかける青春の叫びが届くようだ。

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photograph by Ichisei Hiramatsu

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