サッカーは平原で繰り広げられる。フラットな草の上の20人がもっぱら足で球を扱い、ふたり、ゴールを守る者のみ手を用いる。
ラグビーは違う。密林がある。かと思えば陽光の照らす広場に出る。泥の河の領有を30人が争いながら、さわやかに宙を跳ぶ。
丸い球のレフェリーなら全体を見渡せる。楕円のほうはそうはいかない。眼前の細部のすべてがジャッジの対象だ。反則を渉猟すると際限がない。
先のラグビーのワールドカップ決勝。ニュージーランド代表オールブラックスのキャプテン、サム・ケインが開始27分の頭部へのタックルにより退場を科せられた。せっかくの巨人と巨人の頂上対決は14人対15人の非対称となった。
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photograph by AFLO