今季からメジャーリーグ(MLB)で導入されたピッチクロックが、劇的な試合時間短縮につながっている。開幕から約1カ月が経過した時点で、9回終了の1試合平均試合時間は2時間37分。昨年の3時間5分から28分も短縮されたと、導入効果が報告されている。試合時間の短縮は、日本のプロ野球(NPB)でも20年来の懸案事項だ。ならば速やかにピッチクロックを導入するかと思われたが、複数球団から反対意見が出て、来季からの採用は難しい状況となっている。
その理由の1つが、「試合時間があまりに短くなると、球場の売店収入が減る」というものだった。ある球団では「ピッチクロックを導入すると1億5000万円の減収になる」という試算も出ているという。要は試合時間が30分近く短くなると、今まで3杯売れていたビールが2杯しか売れなくなるから「ノー」だということなのだ。
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photograph by JIJI PRESS