大坂なおみがセンシティブなことは、ずっと前から分かっていた。
2018年の全米オープン。憧れのセリーナ・ウィリアムズとの決勝戦は荒れに荒れ、混乱の中、大坂は初のグランドスラム制覇を達成した。
「こんな終わり方になってしまってごめんなさい」
ブーイングに包まれた優勝インタビュー。大坂が最初に発したのは勝利の喜びではなく涙ながらの謝罪の言葉だった。それは彼女の人間的な優しさの表れだったが、ある種の“弱さ”を見せた場面だったのかもしれない。
そんな涙でトップに上り詰めた大坂は、米国で起こった黒人差別に対する抗議運動「ブラック・ライブズ・マター」への共感を行動に移して話題にもなった。試合でのマスクパフォーマンスは、スポーツの世界でも決して差別が無関係ではないことを、改めて世界中に知らしめるものだった。
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photograph by KYODO