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「私がいたからブラジル流を捨てられた」巨星マリオ・ザガロがセレソンにもたらした“エゴの共存”<選手として2度、指導者として2度W杯を制覇>

2024/02/05
'98年W杯はロナウドを擁して準優勝。監督やコーチとして関わった時期のブラジル代表の成績は110勝11敗33分

 素行のよろしくない猛者の集う学校にひそむ物理の秀才。敵には回したくない。進学校のまれなる不良。これもこわい。

 どちらも長じたら球技の監督に向いている。12年間のわがラグビーのコーチ経験が導く確信だ。

 新年5日。マリオ・ザガロが亡くなった。享年92。ブラジルのサッカー界において実質の数字をもって名を刻む。選手で2度(1958年、'62年)、監督および監督の参謀役でいっぺんずつ('70年、'94年)ワールドカップを制した。

 ひらめき。自由。遊戯性。フチボウ・アルチ(芸術フットボール)の土地に生を享け、栄えある代表となって、なお、そうした文化の奴隷にはならなかった。

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photograph by AFLO

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