お飾りのトップとして真っ先に頭に浮かんでしまうのが、NPB(日本野球機構)のコミッショナーだとすれば、何とも情けない話かもしれない。
2004年の球界再編騒動の中で、当時の根来泰周コミッショナーは「権限は私にはない」と繰り返して批判を浴びた。実際問題として、野球協約はオーナー会議を最高の合議、議決機関と定め、制度的にコミッショナーは組織のトップでありながら“お飾り”でしかあり得ないのである。
結果として日本球界で起こった多くの不祥事は、個別球団により問題が解決されてきた。コミッショナーはそれを追認するだけで、指導力を発揮して問題解決にあたるということはほとんどなかった。それが日本のプロ野球界の歴史で、Jリーグ創成期に、組織のトップとしてブルドーザー的な剛腕を発揮した川淵三郎チェアマン(当時)との最大の違いでもある。
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photograph by KYODO