あの夜から始まっていたのだと思った。
第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表が世界一を奪回した夜。フッとそんな思いに駆られたのは大谷翔平投手の言葉からだった。
「日本だけじゃなくて韓国もそうですし、台湾や中国も、またその他の国も、もっともっと野球を大好きになってもらえるように、その一歩として優勝できたことが良かったなと思いますし、そうなってくれることを願っています」
この言葉を聞いた瞬間に時間は20年前へと遡った。
2003年、11月7日。この日、札幌ドームで行われたアテネ五輪のアジア予選で宿敵・韓国を破った日本代表は、翌年8月にギリシャで行われる本大会への出場を決めた。その試合後に行われたささやかな祝勝会。そこでチームを率いた長嶋茂雄監督(現巨人軍終身名誉監督)が、選手たちにこう語りかけたのである。
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photograph by JIJI PRESS