落語家の瀧川鯉昇が例のとぼけた調子で「1964年の聖火リレー」について話している。
CD収録の演目『日和違い』のマクラ。静岡県浜松市の小学6年生のころの思い出だ。
「聖火ランナーがくるからよ、みんなで応援に行こうぜ。そんな話が持ち上がったんでございます。いま考えれば聖火ランナーは全然応援する必要がないんでございますね。競技の選手を応援してやればよろしいんで」
そこから「自分で国旗を作りました」と続けて「日の丸をクレヨンで描くんでございますけどね。ここに、けっこう、貧富の差が現われるんでございます。金持ちのせがれはクレヨンを目いっぱい使いましてね、大きな日の丸を描きますが、私ども貧乏人のせがれは点滴の跡かなというような……」。
特製トートバッグ付き!
「雑誌プラン」にご加入いただくと、全員にNumber特製トートバッグをプレゼント。
※送付はお申し込み翌月の中旬を予定しています
photograph by Shiro Miyake / JMPA