1980年の春。ポスターを見た。東京のあのころは保谷市、西武新宿線の東伏見駅。江夏豊が左手のひとさし指をピンと立てていた。肩口は裸。本誌創刊の広告だった。
最初に購入したナンバーのナンバーは17。忘れない。自分が載ったからである。いま「載った」と書いて、まあ、これはウソ。本当は「写っていた」が正しい。
110ページ。早稲田大学ラグビー部の橋本晋一監督の引き締まった表情をとらえた写真、すぐ後ろに物事を考えているのか考えていないのか判然としない本稿筆者の顔がある。公式戦をブレザー姿で眺めている。大学2年、そのクラブに在籍していた。レギュラーに近づいてもおらず、授業をすっぽかしてミニシアターで古い映画を鑑賞するのが連日の猛練習を除く青春のあらかたすべてだった。
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