自分自身の入学式と卒業式に出席しない。これ、スポーツのよいコーチのひとつの証明である。
いわゆる進学校ながら甲子園において準優勝、往時の土佐高校の名将、籠尾良雄がそうだった。
著書『全力疾走三十年』にある。
「実は私、早大の入学式にも卒業式にも出席しておりません」
土佐高校在籍時にすでに郷里の町の宇佐中学野球部コーチを始めていた。上京後も休みに帰っては熱心に続ける。入学や卒業の式典はちょうど「春の中学野球大会と重なる」。どちらが大事か。後者に決まっている。
卒業式どころか卒業後の進路を定める試験もそっちのけで後輩の指導にのめり込む者もいた。沖縄返還50年に際して名が浮かぶ。
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