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青学大原監督「1万mの記録は箱根駅伝の順位と相関性がある」は本当か? “速ければOKじゃない”意外な関係
text by
酒井政人Masato Sakai
photograph byNanae Suzuki
posted2021/12/16 11:05
2020年はエントリー上位10人の10000m平均タイムと箱根駅伝の順位がともに1位だった青山学院大学
最終1位 青学大(28分52秒03・2位)
最終2位 東洋大(29分08秒36・6位)
最終3位 早大(29分10秒69・10位)
最終4位 日体大(28分59秒61・3位)
最終5位 東海大(28分43秒10・1位)
最終6位 法大(29分22秒23・19位)
最終7位 城西大(29分08秒61・7位)
最終8位 拓大(29分14秒96・15位)
最終9位 帝京大(29分12秒22・12位)
最終10位 中央学院大(29分08秒64・8位)
最終1位 東海大(28分52秒00・3位)
最終2位 青学大(28分43秒93・1位)
最終3位 東洋大(29分01秒08・6位)
最終4位 駒大(28分57秒33・4位)
最終5位 帝京大(28分57秒71・5位)
最終6位 法大(29分21秒90・20位)
最終7位 國學院大(29分18秒47・16位)
最終8位 順大(29分03秒80・7位)
最終9位 拓大(29分08秒06・10位)
最終10位 中央学院大(29分07秒23・9位)
最終1位 青学大(28分45秒36・1位)
最終2位 東海大(28分50秒54・2位)
最終3位 國學院大(29分05秒98・14位)
最終4位 帝京大(28分52秒20・5位)
最終5位 東京国際大(28分59秒61・8位)
最終6位 明大(28分50秒73・3位)
最終7位 早大(29分07秒73・16位)
最終8位 駒大(28分51秒37・4位)
最終9位 創価大(29分03秒59・12位)
最終10位 東洋大(29分03秒75・13位)
最終1位 駒大(28分26秒80・1位)
最終2位 創価大(29分05秒37・13位)
最終3位 東洋大(28分58秒10・9位)
最終4位 青学大(28分47秒18・5位)
最終5位 東海大(29分05秒50・15位)
最終6位 早大(28分32秒27・3位)
最終7位 順大(28分51秒08・6位)
最終8位 帝京大(29分10秒52・11位)
最終9位 國學院大(28分56秒64・8位)
最終10位 東京国際大(29分05秒37・13位)
青学大は登録選手上位10人の10000m平均タイムと箱根駅伝の順位がかなり近い。17・20年は10000m平均タイムと箱根駅伝の順位がともに1位。他の3年間も10000m平均タイムの順位と1つしか違わないのだ。今回の10000m平均タイムは2位。データ的にも総合優勝を十分に狙える位置につけている。
一方、登録選手上位10人の10000m平均タイムと箱根駅伝の順位にズレのある大学もある。それも大きく2パターンに分類される。10000m平均タイムから順位を大きく下げる大学と、10000m平均タイム以上の結果を残す大学だ。
前者の例でいうと明大が顕著だろう。19年は10000m平均タイムで2位(28分50秒54)につけながら17位、前回も10000m平均タイム2位(28分31秒77)で11位に沈んでいる。今回は10000m平均タイムで3位(28分31秒18)。過去の結果を考えると、上位候補には推しにくい。
データから読む“意外な上位候補”とは?
反対に過去5年すべてで10000m平均タイム以上の結果を残しているのが東洋大だ。17・18年は10000m平均タイム6位で2位。前回も10000m平均タイム9位(28分58秒10)で箱根駅伝では3位に入った。國學院大も19年に10000m平均タイム16位(29分18秒47)で7位、20年にも10000m平均タイム14位(29分05秒98)から過去最高3位に食い込んでいる。法大も18・19年は箱根駅伝で6位に入っているが、10000m平均タイムは19位(29分22秒23)と20位(29分21秒90)だった。
今回の登録選手上位10人の10000m平均タイムは國學院大が9位(28分42秒34)、東洋大が15位(28分59秒58)、法大が18位(29分05秒10)。これまでの傾向を考えると、3校とも10000m平均タイムの順位から大幅に上げてくるだろう。
青学大は1万mのタイムを本気で狙っていない
箱根駅伝は1区間で約21〜23kmの距離があり、山区間(5、6区)以外にも起伏がある。トラック10000mで好タイムを出したからといって簡単に走れるものではない。しかし、10000mの記録がメンバー選考のひとつの基準になっている面もあるし、選手は自己ベストを出して自信をつけておきたいという気持ちもある。箱根前の10000mをどのように扱うのか。そこに指揮官たちの“葛藤”があるようだ。