箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
青学大原監督「1万mの記録は箱根駅伝の順位と相関性がある」は本当か? “速ければOKじゃない”意外な関係
text by
酒井政人Masato Sakai
photograph byNanae Suzuki
posted2021/12/16 11:05
2020年はエントリー上位10人の10000m平均タイムと箱根駅伝の順位がともに1位だった青山学院大学
昨年は12月4日に日本選手権10000mが行われた。東京五輪の代表選考会だったこともあり、有力ランナーが記録と順位を狙っていた。その結果、相澤晃(旭化成)が27分18秒75、伊藤達彦(Honda)が27分25秒73をマーク。ふたりは従来の日本記録を上回り、東京五輪参加標準記録も突破した。しかし、ニューイヤー駅伝は相澤が故障のため欠場。伊藤は最長4区を任されるも、レース中に両大腿部を疲労骨折している。
学生勢では田澤廉(駒大)が27分46秒09で8位に食い込むと、中谷雄飛と太田直希の早大コンビも27分台に突入した。ところが箱根駅伝は不発に終わった。2区に出走した田澤と太田は区間7位と同13位。中谷も3区で区間6位だった。
最近の長距離用スパイクにはプレートが入っており、従来よりも反発力が高くなった。そのため、記録は一気に上昇したが、身体へのダメージも大きくなった印象がある。
日本人最高タイムを出した田澤はどうなる?
今冬は12月4日の日体大長距離競技会10000mで田澤廉(駒大)が日本人学生最速の27分23秒44(日本歴代2位)をマーク。オレゴン世界選手権の参加標準記録(27分28秒00)も突破した。田澤は狙い通りの記録をゲットしたが、この快走は箱根駅伝に向けて“不安要素”になったともいえるだろう。
ただし、田澤が箱根駅伝でも大活躍できれば、今後の流れが変わるかもしれない。10000mと箱根駅伝の関係を考えても、連覇を目指す駒大のエースがどんなパフォーマンスを発揮するのか注目したい。