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W杯予選でエース級の活躍、大迫勇也はなぜ外れた? 森保ジャパンの26人に込められた“意図”「重視したのはユーティリティではなく…」
posted2022/11/02 17:01
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph by
AFLO
発表を待つ会見場はざわつきもせず、まるで凪のように静かな雰囲気だった。
過去、6回のW杯では、トルシエの時以外は監督が自らメンバーを発表している。この日に至るまで、ファンや元選手、メディアなどあちこちでメンバー考察が行なわれ、いろんな名前が飛び交うことになる。そうしたワクワクする時間を経て、発表の日を迎えるのでW杯メンバー発表の雰囲気はいつもの記者会見とは違う。
会場の落ち着いたムードは続き…
ただ、事前に森保一監督がサプライズはないという話をしていたので、その期待感はなくなっていた。秘密兵器やサプライズが出れば盛り上がるのだが、森保監督が指摘した選考条件である4年間の実績、今季のプレー、現状、チームへの貢献度を考えれば、顔触れはほとんど見えていたともいえる。それが会場の落ち着いたムードを醸し出す一つの要因になっていた。
テレビカメラは30台以上、メディア用の175席がすべて埋まった。
森保監督が、選手の名前を読み上げていく。
最初にGKの川島永嗣の名前が呼ばれた。
第3GKは、ほぼ試合に出る機会がない。そこに若い選手を入れて連れていくよりも最年長であり、チームのまとめ役として、南アフリカ大会の川口能活のような役割を果たすことになりそうだ。
3人のGKにつづいてフィールドプレイヤーの名前が年齢順に呼ばれ、最後は久保建英だった。
これで、26名のメンバーが決まった。
26名中、W杯経験者は6名、攻撃陣は0名。
フランス大会のメンバー発表の際、岡田武史監督が「はずれるのはカズ」と言った瞬間、空気が一変してざわつき、記者が連絡を取りにさーと消えていくといったような報道陣の動揺やドイツW杯のメンバー発表でジーコが「マキ」と言った時の「おぁー」という驚きの声もなかった。