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W杯予選でエース級の活躍、大迫勇也はなぜ外れた? 森保ジャパンの26人に込められた“意図”「重視したのはユーティリティではなく…」 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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posted2022/11/02 17:01

W杯予選でエース級の活躍、大迫勇也はなぜ外れた? 森保ジャパンの26人に込められた“意図”「重視したのはユーティリティではなく…」<Number Web> photograph by AFLO

11月1日、ゴールキーパー(GK)3名を読み上げた後、GK以外の選手を年齢順に読み上げる“サプライズ発表”を行った森保監督。26人に込めた意図とは…?

 森保監督がW杯前の最後の選考試合と位置付けたアメリカ戦、エクアドル戦のメンバーで今回の代表メンバーに入らなかったのは、GK谷晃生、DF瀬古歩夢、MF&FW原口元気、古橋亨梧、旗手玲央、町野修斗の6名。そして、代表復帰の期待が大きかったFW大迫勇也も外れた。

 前回のロシアW杯の経験者は、今回の26名中、川島、吉田麻也、長友佑都、酒井宏樹、柴崎岳、遠藤航の6名のみ。攻撃陣はひとりも残らなかった。

 ちなみにベスト16に進出したロシアW杯ではブラジル大会の経験者が23名中、11名。大迫を始め、岡崎慎司、香川真司、本田圭佑ら攻撃陣も多く残っていた。ただ、同じくベスト16に進出した南アフリカ大会ではドイツW杯の経験者が8名で攻撃陣は玉田圭司だけだった。この時は、ドイツW杯後、世代交代が進んだ時でもあったので、新しい顔となった長谷部誠や松井大輔、大久保嘉人、本田圭佑ら初W杯組が活躍してベスト16に進出した。今回のカタールW杯の編成はこの時に近いのかもしれない。

森保監督が重視した経験以上の「エネルギー」

 森保監督は「経験のない選手が持つ成功したいという野心を持って戦ってくれるエネルギーに期待したい」と語ったが、今度は上田綺世が大迫になり、浅野拓磨、前田大然が大久保や玉田になれということなのだろう。

 経験者はW杯の雰囲気や失敗した過去を現チームに伝え、目標達成のためにチームを導いてくれるが、今回の若手選手たちは、そういった経験を上回る可能性を感じさせてくれるということなのだろう。南アフリカ大会の本田のように、若さが勢いにつながれば経験者の不在は勝敗に大きく影響することはなさそうだ。

 ポジションを見てみるとFWは上田、浅野、前田の3人だけ。W杯予選では大黒柱だった大迫と得点力が高い古橋を欠いたことの不安はある。

“大迫外し”の意図は?

 大迫は、ロシアW杯で活躍し、カタールW杯予選ではエースとして働いてきた。国際Aマッチは、57試合25得点、実績においても頼れるストライカーだ。大迫外しの意図を考えると、コンディションという問題よりもハイプレス&ショートカウンター戦術の徹底と世代交代が見えてくる。森保監督は、大迫を1トップに置く、ポゼッション主体の攻撃パターンでは強豪のドイツやスペイン相手には厳しいと判断したのだろう。ロシアW杯の時は乾貴士らとの連携がよく、大迫のプレーが効いていた。今回も予選では南野拓実、堂安律らと良い連携を築けていたが離脱後、裏抜け、ポストプレーとオールラウンドな特徴を持つ上田の成長と伸びしろを考え、世代交代へと舵を切ったようだ。

【次ページ】 大迫がいないW杯は、攻撃陣にとってプレッシャー

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