基本戦術はハイプレス＆ショートカウンターか

　町野修斗は、サイズ的にも今後が楽しみな選手で、E-1では相馬勇紀と同じく3ゴールを挙げて、優勝に貢献した。その後、アメリカ戦で後半に出場機会を得たが、結果を残せなかった。逆に選ばれた相馬は、E-1で評価を高め、エクアドル戦では途中出場を果たし、左サイドの突破で活路を見出した。3バックの際はウィングバックをこなし、ボールを持ったら何かをやってくれそうな期待感が大きい。相馬は、三笘薫と違ったタイプとして切り札になる可能性がある。

E-1選手権でMVPを獲得し、エクアドル戦でも見せ場を作った相馬勇紀がW杯メンバーに滑り込んだ　©Kiichi Matsumoto

　大迫と古橋を外し、運動量が多く、スピードに特徴のある浅野、前田とオールラウンドタイプの上田の3人にした狙いから基本戦術はハイプレス＆ショートカウンターでいくことが読みとける。アメリカ戦でハマったように前田がプレッシングの先導役になり、全体にコンタクトしてボールを奪って早く攻める。そのためには、まずは走力が不可欠だ。前田は、セルティックで11試合2得点と決定力に課題を持つが、ハイプレスで相手にプレッシャーをかけられるスピードとタフな足を持っている。

　浅野も故障からどのくらい戻ってこられるかが不明だが、基本はスピードと運動量に特徴がある選手。前線から守備を整え、相手に走り勝ち、失点を防いで勝ち点を獲得する。ロンドン五輪のスペイン戦での勝利をドイツ戦に重ねているようにも見えるが、それがベスト8という結果を出すために、そして「新しい景色」を見るために森保監督が導き出した答えなのだろう。

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