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大迫勇也、原口元気、古橋亨梧はなぜ落選? W杯メンバー発表会見で記者たちが共有した“静かな驚き”「んん…? 年齢順だとすれば…」
posted2022/11/02 11:05
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
JIJI PRESS
納得感があり、驚きもあった。
カタールW杯に臨む日本代表のメンバーが、11月1日に発表された。記者会見に臨んだ森保一監督は最初にGKを発表し、そのあとにフィールドプレーヤーを読み上げていった。長友佑都、吉田麻也、酒井宏樹、谷口彰悟と続いたので、DFラインから発表をしているかと思われたのだが、5人目は柴崎岳で、6人目は遠藤航、7人目は伊東純也だった。
このあたりで、記者会見場に「んん……?」という空気が立ち込めた。DFからではなく、年齢順に発表されている? だとすれば、酒井と同学年の大迫勇也と、谷口と同学年の原口元気は、選ばれていないことになる。東京五輪世代の名前が出てくると、大迫と原口の落選が記者会見場のなかで静かに共有されていった。
なぜ大迫勇也ではなく上田綺世が選ばれたのか
14年と18年のW杯に出場している大迫は、2月のサウジアラビア戦を最後に代表から遠ざかっていた。その一方で、所属するヴィッセル神戸では復調の兆しを見せ、10月に行なわれたリーグ戦4試合すべてに先発。そのうち3試合にフル出場した。10月29日の川崎フロンターレ戦は、森保監督も視察していた。指揮官の目前ではっきりとした存在感を示したが、復帰はならなかった。
森保監督のなかでは、大迫か、上田綺世か、という二者択一だったはずだ。そこでポイントになったのは、所属チームのスタイルである。
グループステージで対戦するドイツ、スペインとの力関係を考えると、押し込むよりも押し込まれる時間が長くなることが想定される。最前線にポイントを作って攻撃を構築していくよりも、相手の背後を効果的に突くカウンターが有効だ。
大迫が所属する神戸は、カウンターを主武器とするチームではない。W杯のメンバーに選ばれると、異なる役割を担うことになる。
上田はどうか。彼が所属するセルクル・ブルージュは、ベルギー1部リーグの中位に位置している。対戦相手を問わず、主導権を握るサッカーではない。ディフェンスでもハードワークをしながら、少ない好機を逃さないタスクを、上田は担っている。ドイツ戦とスペイン戦で、FW陣が求められるタスクに近い。