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連覇を目指す名古屋が依然優勢か?
2011年のJリーグ、開幕プレビュー。
text by
佐藤俊Shun Sato
photograph byTakuya Sugiyama
posted2011/02/28 10:30
監督就任3年目にして優勝を果たした昨季。最優秀監督賞を受賞したが、選手時代の最優秀選手賞(1995年)の両方を受賞したのはストイコビッチだけである
厳しい残留争いを強いられる下位チームの台所事情。
磐田は、成岡翔ら主力が抜けた割に補強は大学生を中心に僅か。2年間で柳下監督のスタイルは浸透したが、昨年よりも前田遼一頼みになると、苦しい戦いがつづく。
山形は、獲得したマイコンらブラジル人2人が、どれだけ機能できるか。守備は計算できるだけに得点力アップが課題になる。
新潟は、昨年、16ゴールを奪ったマルシオ・リシャルデスの退団が痛い。その穴を埋めるべく獲得したブルーノ・ロペスがどのくらい点を奪えるか。この選手の活躍が今季の成績を大きく左右するだろう。
甲府は、守備重視の三浦俊也監督に代わり、うまくモデルチェンジできるか。チーム改革が中途半端に終われば、厳しい終盤戦を迎えることになる。
5年ぶりのJ1登場の福岡だが、総合的な戦力は他チームよりも落ちる。J1残留を明確な目標とし、田中誠らベテランの踏張りが鍵になる。
名古屋、鹿島の図抜けた2強以外の戦力は拮抗している。
今シーズン、名古屋、鹿島の優位は変わらない。
この2チーム以外は、何らかのキッカケ、例えば主力選手の怪我、若手の成長、Jリーグの中断によって、チーム状態が変化し、順位が変わる可能性がある。また、以前のようにトップ5、中堅、降格争いという厳然とした枠組が微妙になり、名古屋、鹿島以外の戦力格差は、昨年よりなくなった。セカンドグループの頑張りが、今季のJリーグを盛り上げてくれるキーになるだろう。
卯年の今シーズン、見事に飛躍するのは鯱か、鹿か、それとも……。