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「あまりにも条件が過酷。ただ攻撃は…」中村憲剛が“1得点”のベトナム戦を解説 オマーンとの大一番は「攻め急がなくていい」
posted2021/11/15 17:02
![「あまりにも条件が過酷。ただ攻撃は…」中村憲剛が“1得点”のベトナム戦を解説 オマーンとの大一番は「攻め急がなくていい」<Number Web> photograph by AFLO](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/b/1500wm/img_6bc50535afb9417c83f1b43b0360ac12603647.jpg)
ベトナム戦の前半17分、大迫勇也のポストプレーから南野拓実が抜け出し、伊東純也がフィニッシュ。アウェイでのゴールラッシュに期待が集まったが……
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![中村憲剛+戸塚啓](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
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AFLO
勝負のオマーン戦が、明日に迫ってきた。
今回も元日本代表MFの中村憲剛氏に、11月11日のベトナム戦を振り返りながらオマーン戦を展望してもらう。W杯アジア最終予選はもちろん、アジアのアウェイゲームの雰囲気を肌で知る10年南アフリカW杯代表戦士は、「ベトナム戦はあまりにも条件が苛酷でした」とし、オマーン戦を「大一番です」と位置づける。
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過日のベトナム戦については、ピッチ内のプレーに言及してもいいのだろうか、というのが個人的な思いです。
まずは移動が苛酷でした。コロナ禍の影響でヨーロッパから日本を経由して現地入りした選手がいて、ヨーロッパからの飛行機内で24時間過ごした選手もいました。機内に24時間ですよ! 改めて想像してみてください。それがどれほど苛酷か。体験したことのない僕には分かりませんが、色々な意味でいつもよりコンディションがいいはずはありません。
また、チーム全員が揃っての練習は前日の1回限りでした。試合が行われるスタジアムでの前日練習は公式練習と呼ばれ、時間は約1時間ほどです。いまはコロナ禍でオペレーションが変わっているかもしれませんが、僕が現役時代のものでは冒頭の15分をメディアに公開し、非公開となった残り45分で相手に知られたくない戦術練習やセットプレーの確認をします。
戦術的な確認などが前々日までに済んでいれば、前日練習ではCKとFKに時間を割けます。だとしても、時間は短い。最優先されたのは「確認」で、新しい選手を起用するための「準備」をするには時間があまりにも短かったと思います。
特殊な状況下でのクリーンシートは評価すべき
ベトナム戦では高さのアドバンテージを生かして、リスタートから点を取りたかったとの指摘がありました。もちろん僕もそう思いますが、オーストラリア戦からキッカーが田中碧に変わっています。関係作りのところで試合前に色々と詰めたかったはずですが、時間の関係で大まかな確認しかできなかったのでは、と想像します。
オーストラリア戦から取り組んでいる4-3-3での2試合目で、相手が変わり、相手のシステムも変わり、特徴も違うなかでのゲームでした。しかもアウェイです。日本の選手たちは与えられた環境のなかで、試合を進めながら最適解を探していったのでしょう。
守備に関しては危なげなかったと言えます。ペナルティエリア内からはシュートを打たれていないし、前半に関してはペナルティエリア内でボールに触られてもいない。