「あまりにも条件が過酷。ただ攻撃は…」中村憲剛が“1得点”のベトナム戦を解説　オマーンとの大一番は「攻め急がなくていい」 

守田の代役がチームのカラーを決める？

　その守田が、オマーン戦は出場停止になります。

　オーストラリア戦とベトナム戦では、中盤の3人のユニットが機能することで、試合を支配していました。とくに切り替えや球際の部分です。ベトナム戦は遠藤がアンカーで守田と田中がインサイドハーフというよりも、3人がゾーンを分け合うような関係性でした。3人で臨機応変に形を変え、遠藤が出ていったら他の2人が締めたり、田中が相手のアンカーのところへ出ていったらダブルボランチになったりと、補完性が非常に高かった。

　守田については強度の高いプレーができるだけでなく、球際で粘ってキープして前へ持っていく、ということもできていました。攻守両面で効いていたので、代わりに入る選手によって色々なものが変わるでしょう。柴崎岳なのか、原口元気なのか、旗手怜央なのか、堂安律なのか。あるいは、南野拓実なのか。インサイドハーフに入る選手で、チームの顔が変わります。

柴崎岳は途中出場のベトナム戦で惜しいシュートを2本放った　©JFA

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　そもそも、4－3－3で臨むのでしょうか。遠藤と田中のダブルボランチで、トップ下を入れてもいい。3センターハーフに固執する必要はないかもしれません。

　4－2－3－1で相手の4－3－1－2をどうやって崩すのかは、オマーンとの初戦で出された宿題です。その答え合わせを4ー2ー3ー1でするのか。それとも、4－3－3で別の形での答えを出すのか。森保監督の選択が楽しみです。

オマーン攻略のカギは「相手を走らせるパス回し」

　9月の初戦との違いは、勝ち点差がついていることです。日本はオマーンより2ポイント多い。

　オマーンは勝ち点3がほしいはずです。16日の試合が引き分けでも、当該国同士の成績ではオマーンが1勝1分になります。ただ、勝ち点で日本に先行されたら意味がないわけで、どこかで勝ちにくるはずです。

　それが試合のスタートからなのか、90分のなかでリードを奪おうとしてくるのか。オマーンがどういう姿勢で臨んでくるのかによって、試合の様相が変わってくると思います。

　そうなると、国際経験豊富な選手を使いたくなるのが監督心理かもしれません。4－3－3なら守田の代わりを務めるのは、柴崎や原口、という選択肢が浮上してきます。彼らは、このチームで多くの経験をしているからです。

所属クラブのウニオン・ベルリンで主にインサイドハーフとしてプレーする原口元気（左）。ブンデスリーガで対戦した遠藤航と中盤のユニットを組む可能性もある　©Getty Images

　戦略的な視点に立つと、オマーンの出方にもよりますが、前半から相手の構えているところへ無理に突っ込む必要はないと思います。オマーンのシステムは4－3－1－2なので、ボールを動かして「3」と「1」を何回もスライドさせて走らせて、相手の足を止める。大げさに言えば、そのための前半にしてもいいくらいです。

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