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2014年のセ・パ。優勝、CS争いは?
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byNaoya Sanuki
posted2014/03/26 10:50
昨年、球団初のリーグ優勝&日本一を成し遂げた楽天ゴールデンイーグルス。今年この旗を手にするのはどのチームになるだろうか。
優勝の指標となる、3つのポイントで見ると……。
昨年、多くの解説者や評論家が絶対的な優勝候補に挙げていたソフトバンクが4位に終わったように、潤沢な戦力を誇っていたとしても覇権を握れる保証はどこにもない。しかしながら、シーズン開幕直前の順位予想となると、現有戦力を基点にしか分析できないのも事実。
現時点で優勝の指標となるポイントを挙げるとすれば、大きく3つになるだろうか。
その3つとは「4番」「捕手」「守護神」。昨年のリーグ王者を回顧しても、楽天はプレーオフでこそ田中将大など先発を抑えにまわすなど総力戦で臨んだが、ペナントレースではラズナー、青山浩二が守護神としての働きを見せたように、この3要素が磐石なチームは好成績を収める可能性が高い。
セ・リーグでは、やはり巨人の戦力が他を圧倒している。4番・捕手には阿部慎之助がどっしりと座り、守護神には西村健太朗がいる。しかも、村田修一、山口鉄也、マシソンと、代役をしっかりこなせる選手がいることも強みだろう。
「巨人有利」の図式は今年も継続されそうな予感ではあるが、ダークホースとして躍進が期待されるのが広島だ。
昨年初のCS出場を果たした勢いそのまま、オープン戦での好調ぶりからもキラは4番として爆発しそうな予感があり、捕手の石原慶幸、守護神のミコライオも健在。前年以上の成績を残しても不思議ではない。
Aクラス争いに目を向ければ、実績、戦力面なら中日が一枚上手だが、DeNAの存在も侮れない。正捕手はいまだ不在だが、4番には昨年の二冠王・ブランコが君臨。ソーサと山口俊の守護神争いもいい意味で活性化している。筒香嘉智ら若手の台頭もあれば面白い存在になる。
オープン戦での結果を見ても、不安なのが阪神とヤクルト。阪神は4番候補ゴメスの仕上がりが遅く、捕手も固まっていない。新守護神の呉昇桓は期待通りの投球を見せているだけに、先発、中継ぎ陣の踏ん張りがあれば上位進出も望めるかもしれない。ヤクルトは先日の事件の影響で不動の4番・バレンティンが5月に一時帰国するのが痛い。野手、投手含め、新戦力の出現が待たれるところだ。
パ・リーグは、どこが優勝してもおかしくない。戦力だけで判断すれば、約30億円とも言われる大補強を敢行したソフトバンクに分があるだろうが、昨年の事例もあるだけに絶対とは言い切れない。
怖いのは西武だ。中村剛也が左脇腹痛で出遅れ、守護神候補のボウデン、ウィリアムス、高橋朋己の仕上がりが不安といっても、昨年の打点王・浅村栄斗のように毎年、若手がブレイクするのが西武の伝統であり強みでもある。
楽天は絶対エースの田中が抜けたことで不安視されているが、打線は昨年とほぼ変わらない布陣だし正捕手の嶋基宏も安泰。ソフトバンク時代に圧倒的な投球を見せ続けたファルケンボーグが抑えとして機能すれば連覇も見えてくる。
ほかの3チームも、戦力のピースが噛み合えばリーグを制する可能性は十分にある。
オリックスは4番候補にペーニャ、捕手に厚みをもたらすために山崎勝己を獲得。日本ハムも主砲に中田翔がいるし、鶴岡慎也が抜けた今、大野奨太の奮起も期待できる。もちろん、守護神には経験豊富な武田久がいる。ロッテにしても毎年、守備を基点とした機動力野球にぶれがないのが強み。目下、売り出し中の“アジャ”こと井上晴哉が早期に覚醒を果たせばチームにも勢いがつくだろう。
とはいえ、予想通りに事が進まないのがスポーツの世界。開幕最初の5カード、交流戦、夏場などリーグ制覇のターニングポイントはいくつもある。戦力ももちろん重要だが、優勝するためには、シーズンを通してそれらをいかに円滑に機能させられるかが重要なのだ。
セ・リーグ
1位:巨人
2位:広島
3位:DeNA
4位:中日
5位:阪神
6位:ヤクルト
パ・リーグ
1位:西武
2位:ソフトバンク
3位:楽天
4位:オリックス
5位:日本ハム
6位:ロッテ