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佐々木朗希&村上宗隆に熱視線、カブスが水面下で進める「日本人獲得計画」 編成本部長は日本通「セイヤ獲得で我々は良い経験をした」
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byGetty Images
posted2024/04/06 11:03
2025年の日本でのMLB開幕戦「ドジャース対カブス」のカードが報道されるなど、じつは日本人とも縁の深い名門球団・カブス。その対日戦略とは…?
日本通が語る適応の難しさ
「米国の野球に慣れることは簡単ではない。慣れるまでの過程、いかに早く適応できるかを事前に予測することは難しい。期待されているパフォーマンスができるまで、1、2年を要することもあるかもしれない。すぐに結果を出すのはとても難しいことだ。技術面でも生活面でも新たな挑戦となる。米国での環境や言葉にも対応しなくてはならないし、同僚や監督と簡単に話すことができない難しい面もある。どれだけ早く適応できるか。それが一番難しいことだろう」
日本人選手の勤勉さを知ることもあり、目先の結果だけを求めず、丹念なスカウティングを継続するスタンスは、今も変わっていない。
昨オフ、早い時期に大谷と山本の争奪戦から撤退した一方で、今永との交渉では期限直前に参戦し、攻勢気味だった複数の他球団を出し抜く形で契約を結んだ。ホイヤー編成本部長が「扉が閉じる目前で真剣度が増した」と振り返った通り、電撃的な交渉経過だった。
多くの選手の獲得に参戦していくだろう
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今永との交渉の際、最終的な「ゴーサイン」を出したオーナーのトム・リケッツ氏は、昨季終了後、チーム再建への熱意をファンへのメッセージに込めた。
「2023年は、我々にとって大きなステップだった。来季はさらなる前進に期待している。カブスの将来は明るいと、自信を持って言える」
昨季のカブスはポストシーズンにこそ届かなかったものの、6月8日時点の最大借金「10」から9月6日には最大貯金「12」まで巻き返すなど、最終的に地区2位に食い込み、着実に力を付けたことを実証した。
今後も、不足したピースを埋め、常に優勝争いに加わるうえで、ホイヤー編成本部長は信頼度の高い日本人選手への興味を隠そうとはしない。
「多くの選手の獲得に参戦していくだろう」
日本人市場でドジャースの独走を阻止するためにも、20年以来、4年ぶりとなるポストシーズンへ進出し、「勝てるチーム」として結果を残すことが重要となる。