メジャーリーグPRESSBACK NUMBER
佐々木朗希&村上宗隆に熱視線、カブスが水面下で進める「日本人獲得計画」 編成本部長は日本通「セイヤ獲得で我々は良い経験をした」
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byGetty Images
posted2024/04/06 11:03
2025年の日本でのMLB開幕戦「ドジャース対カブス」のカードが報道されるなど、じつは日本人とも縁の深い名門球団・カブス。その対日戦略とは…?
昨季終盤、激しいポストシーズン争いを繰り広げている中、カブスのジェド・ホイヤー編成本部長は極秘で来日し、NPBで活躍する複数の有力選手を直接視察した。昨年3月のWBC以前から今永や山本らのスカウティングを継続してきただけでなく、来季以降のメジャー移籍が有力視されるロッテ佐々木朗希、ヤクルト村上宗隆らにも熱視線を送った。
日本の選手に「積極的に動いていくつもり」
FA市場解禁後、ホイヤー編成本部長は「我々には日本人選手との歴史がある」と胸を張り、さらに真剣な表情で続けた。
「特定の選手については話せないが、海を渡って来そうな選手はすべて視察した。とても素晴らしい印象を受けた。もし、獲得に参戦しないのであれば日本へは行くことはしない。我々はセイヤ(鈴木)を獲得したことで良い経験をしたし、過去にも日本人選手と素晴らしい関係を築いてきた。積極的に動いていくつもりだ」
1995年に野茂英雄がドジャース入りして以来、カブスは日本市場参入に関しては、ある意味で「後進球団」だった。マリナーズ、ジャイアンツなど西海岸の球団だけでなく、ヤンキース、メッツなどが続々と参戦する中、静観する期間が続いた。
すべては福留孝介から始まった
カブスが日本人選手と契約したのは、08年の福留孝介が最初だった。だが、その後は、田口壮、藤川球児、高橋尚成、和田毅、川﨑宗則、上原浩治、ダルビッシュ有と、積極的に日本人選手を獲得し、着々と実績を積み上げてきた。
レッドソックス時代、松坂大輔や岡島秀樹、田澤純一らの獲得にも携わったホイヤー編成本部長は、「日本通」と言われるだけでなく、日本球界からメジャーへ適応する難しさも正確に理解していた。