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酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
“最も巨人を勝たせた監督” はV9川上でもONでもなく…原辰徳1291勝に浮かぶ“大型補強+育成を両立の難しさ”〈イチロー、ダルらとWBC優勝〉
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byNaoya Sanuki
posted2023/10/05 20:01
2023年、リーグ最終戦での原辰徳監督。21世紀の巨人軍監督と言えば、この人物であることに異存ある人はほぼいないだろう
【2009年 89勝46敗9分 勝率.659(1位):日本一】
坂本勇人が打率.306、ニュースターが誕生した。ラミレス、小笠原、阿部慎之助らも好調を維持。投手陣では新加入のゴンザレスが15勝、グライシンガーが13勝、高橋尚が10勝、クルーンが27セーブ、育成上がりの山口鉄也が35ホールドを挙げた。2位中日に12ゲーム差の圧勝でリーグ3連覇。CSも4勝1敗で中日を下し、日本シリーズも4勝2敗で日本ハムに勝ち、2002年以来の日本一となる。
この年3月に行われた第2回WBCで原監督はイチロー、青木宣親、ダルビッシュ有、松坂大輔らを擁する侍ジャパンを率いて、2大会連続の世界一を達成している。
2009年オフ、藤井秀悟が日本ハムからFA移籍で加わる。
2010年代に入って移籍組に衰えが目立ち始めるが…
【2010年 79勝64敗1分 勝率.552(3位)】
ラミレス(49本)、阿部慎之助(44本)、小笠原道大(34本)、坂本勇人(31本)と再び30本塁打カルテットが誕生したものの、先発投手陣が東野峻(13勝)、内海(11勝)、クルーンは25セーブしたものの防御率は4.26。投手陣の弱体化で優勝を逸する。CSファーストステージでは阪神を2勝0敗で下すが、ファイナルステージで中日に1勝4敗で負ける。
【2011年 71勝62敗11分 勝率.534(3位)】
打のラミレス、小笠原、谷、投のグライシンガー、ゴンザレスという移籍組に衰えが目立つ。2年目の長野久義が首位打者、藤村大介が盗塁王、内海が最多勝、ルーキーの澤村拓一が11勝で新人王を獲得するなど若手の台頭はあったが、戦力としての厚みがなく3位。CSファーストステージでヤクルトに1勝2敗で敗退した。
2011年オフ、横浜から村田修一、ソフトバンクから杉内俊哉がFA移籍。ソフトバンクのDJホールトンも移籍。
12年の日本一、14年まで3連覇と黄金時代だった
【2012年 86勝43敗15分 勝率.667(1位):日本一】
阿部慎之助が打率.340で首位打者、104打点で打点王、MVPに輝く。長野、坂本が揃って最多安打のタイトルを分け合い、FA加入の村田はベストナイン。内海哲也が15勝で最多勝。新加入の杉内とホールトンが12勝、西村健太朗が32セーブ。原監督の最高勝率となる。CSファイナルステージで中日を4勝3敗で下し、日本シリーズも4勝2敗で日本ハムを下して原巨人3回目の日本一。
【2013年 84勝53敗7分 勝率.613(1位)】
長野、坂本、村田が揃って全試合出場、阿部も32本塁打91打点と好調。マリナーズでイチローのチームメイトだった新外国人ホセ・ロペスも.303をマーク。レベルの高い打線。原監督の甥の菅野智之が入団し、内海と並ぶ13勝、杉内も11勝。西村健太郎が42セーブでセーブ王。2年目のマシソンが最多の40ホールド。阪神に12.5差をつけて連覇。CSファイナルステージで広島を4勝0敗で圧倒するが、日本シリーズではこの年24勝0敗の田中将大を擁する楽天に3勝4敗で敗退した。
2013年オフ、広島から大竹寛、西武から片岡治大がFA移籍。