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青学大“若の神”若林宏樹が日本選手権でラストラン…2周遅れもスタンドからは拍手「競技以上の熱意で業務に取り組みたい」引退後は保険営業マンに

posted2025/04/16 06:01

 
青学大“若の神”若林宏樹が日本選手権でラストラン…2周遅れもスタンドからは拍手「競技以上の熱意で業務に取り組みたい」引退後は保険営業マンに<Number Web> photograph by (L)Satoshi Wada、(R)JMPA

見慣れたフレッシュグリーンではなく、4月に入社した日本生命のユニフォームで登場した若林宏樹。「若の神」第一線でのラストランの模様は…?

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和田悟志

和田悟志Satoshi Wada

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(L)Satoshi Wada、(R)JMPA


 熊本で行われた1万mの日本選手権。今秋に行われる東京世界選手権への選考もかかる大きな舞台だけに、選手たちの白熱したレースが繰り広げられた。実はそこには、年始の箱根路を沸かせたあの「神」の姿もあった。すでに第一線を退くことを表明している人気ランナーは、なぜラストランにこの大会を選んだのだろうか。《NumberWebレポート全2回の2回目/最初から読む》

 そもそも日本選手権は開催地が毎年決まっているわけではなく、誰でも出られるような大会でもない。

 出場するには1万m28分00秒00に設定された申込資格記録を突破することが大前提。また、ターゲットナンバー(出場可能人数)が「30」となっており、申込資格記録を切っていても、出場できない場合もある。

 この厳しい条件をクリアして、若林宏樹(青学大→日本生命)は出場にこぎつけた。それも現役最後のトラックレースになるはずだった昨年11月のMARCH対抗戦で27分59秒53の自己記録をマークし、最後の最後で滑り込んだ形だ。

第一線からの引退は表明していた「若の神」

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 若林の実績については今さら説明するまでもないかもしれない。

 京都の陸上の強豪校・洛南高校出身で、青学大に進学すると1年目から大学三大駅伝(出雲、全日本、箱根)に出場した。特に箱根駅伝の5区・山上りでは区間3位と好走し総合優勝の大きな力となった。

 その際に原晋監督から授けられた二つ名が“山の神”ならぬ“若の神”。すっかり定着した……かはさておいて、青学大の看板選手の一人として注目を集めた。

 しかし、2年目以降は怪我にも苦しみ、持ち前の力をなかなか発揮することができなかった。そして、大学3年生の時には「陸上は大学まで」と、競技に区切りを付ける決断を下した。

【次ページ】 4月からは大手生命保険会社の社員に

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