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阪神・岡田彰布監督がいま明かす“18年ぶり”優勝秘話…4番を佐藤輝明でなく大山悠輔に決めたワケ「よくもまあ、ここまで強くなったもんや」

posted2023/10/06 17:01

 
阪神・岡田彰布監督がいま明かす“18年ぶり”優勝秘話…4番を佐藤輝明でなく大山悠輔に決めたワケ「よくもまあ、ここまで強くなったもんや」<Number Web> photograph by Tadashi Hosoda

阪神タイガースを率いて2005年以来、18年ぶりにリーグ制覇した岡田彰監督が“優勝秘話”を明かした

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内匠宏幸

内匠宏幸Hiroyuki Takumi

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Tadashi Hosoda

 18年ぶりに歓喜のリーグ優勝を果たした阪神タイガースは、後半戦から盤石の独走態勢を築き、圧倒的な強さを見せつけた。球界最年長の岡田彰布監督はチームをいかに変革し、復活に導いたのか。40年以上も密着する「岡田番」の名物記者に秘話を明かした。
 現在発売中のNumber臨時増刊号「阪神タイガース 栄光の記憶」に掲載の[優勝インタビュー]岡田彰布「黄金時代の入口よ」より内容を一部抜粋してお届けします。【記事全文はNumberPREMIERにてお読みいただけます】

 ベンチから姿を現した。その瞬間、甲子園が揺れた。「岡田、岡田」の絶叫がこだまする。コーチ陣に押し出されながら、マウンドに歩を進めた。待っていたのは息子よりも若い選手たち。満面に笑みをたたえ、岡田彰布は輪の中に入っていった。

 2023年9月14日。岡田は6度、宙を舞った。球団にとって6度目のリーグ優勝。再びタイガースの歴史を紡いだ。

「よくもまあ、ここまで強くなったもんや。タイガースに復帰して、思っている以上にみんな、力があった。チームの成長は試合を重ねるたびに感じていったよ。選手も、普通に自分の役割を果たしたら勝てると思ったん違う? '08年みたいに、下から追ってくるチームもなかった。徐々にゲーム差が離れていくだけやったな」

 僕はスポーツ新聞の記者時代に岡田に密着取材をして以来、もう四十数年の付き合いになる。優勝を「アレ」と呼び、いよいよ目前に迫った頃、ひそかな願望を聞いた。

「できるなら甲子園で。それも、巨人相手となれば、最高やけどな」

ターニングポイントのない異例のシーズン

 自らが監督として率い、優勝した'05年と同じ状況だった。当時も本拠地で、巨人を倒して選手たちに胴上げされた。「なあ、なんでこんなに長く優勝できなかったんやろ。ホンマ、オレは歯がゆくて仕方なかった」。まさに同じ舞台で、18年という積年の憂いを、ついに晴らした。ブランクの長さ、65歳という球界最年長監督、怒濤の9月11連勝……。まさに異例ずくめの優勝になった。

「シーズンの中で必ず節目というか、ターニングポイントになるゲームがあるんやけど、今回はそれがなかった。考えても、浮かばんかった。強いてあげるなら、開幕からの3連勝になるかな」

 '23年シーズンの開幕戦は3月31日、京セラドーム大阪でのDeNA戦だった。ここには「岡田野球」の真髄がぎっしりと詰まっていた。リードした展開だったが、8回表に2点を奪われ、2点差に迫られた。8回裏、あとは逃げ切るだけの展開だったが、岡田は重要な1点を取りにいった。

【次ページ】 「どうして自分たちの勝ちパターンを崩した?」

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