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WBC“サプライズなし”選考…異例の「発表前に選手がネタバレOK」の真意とは? “4人選出”ヤクルトGMにも電話していた「どうしても…」
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佐藤春佳Haruka Sato
photograph byJIJI PRESS
posted2023/01/27 11:02
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「サプライズなし」だった今回の代表発表。しかしそれこそ、栗山監督が選手や球団側と綿密なコミュニケーションをとっていた証ではないか
「開幕前の時期に大事な選手をお借りすることになって本当に申し訳ないです。でもどうしても日本代表に必要なんです」
左のエース投手の高橋奎二は、日本代表では第2先発やリリーフなど不慣れな役割を任せられる可能性が高い。主砲の村上宗隆に加えて、正捕手の中村悠平、二塁手の山田哲人が抜けたうえ、塩見泰隆は外野の予備登録メンバーの筆頭格。チームの生命線がごっそり抜けるセ・リーグ王者に、言葉を尽くして協力を頼んだというわけだ。
「公式発表前に選手が明かしてOK」の真意
そもそも、2013年の第3回大会までは「代表候補」として多めに選手を集めた事前合宿をした上で、大会直前に絞り込む方法をとっていた。しかしシーズン前に前倒しの調整をした挙句に“落選”するというケースに対し選手や球団の反発が大きかったことから、17年大会からは2月の合宿前に定数で代表選出することに。それでも、前回は代表発表直前になってメジャー組が球団から参加を拒否されるなど辞退者が続出。大会前にも大谷(当時日本ハム)や、正捕手の嶋基宏(当時楽天)が故障で離脱し、選手選考は苦難続きだった。
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事前の報道で30選手の全容が出尽くし、「サプライズなし」だった今回の代表発表。しかしそれこそ、栗山監督が早い段階から選手や球団側と綿密なコミュニケーションをとっていた証ではないか。実は球団側には、26日の公式発表前であっても選手が自ら選出について明かすことについては問題がない、ということも併せて伝えられていたと聞く。主力選手ならば自主トレを取材する担当記者からは必ずWBCについて聞かれるだろうし、投手ならば事前に配られる大会公式球で投球練習もする。そんな場面で隠し通す煩わしさすらも排除して、心身ともに準備する時間を十分に与えていたというわけだ。
「サプライズなし」の円満選出の陰に“栗山フォン”あり。コミュニケーションを最も大切にする船長のもと、最強の侍ジャパンはどんな航路をたどるのだろうか。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。
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