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WBC“サプライズなし”選考…異例の「発表前に選手がネタバレOK」の真意とは? “4人選出”ヤクルトGMにも電話していた「どうしても…」
text by
佐藤春佳Haruka Sato
photograph byJIJI PRESS
posted2023/01/27 11:02
「サプライズなし」だった今回の代表発表。しかしそれこそ、栗山監督が選手や球団側と綿密なコミュニケーションをとっていた証ではないか
前回の2017年大会の日本代表・小久保裕紀監督は、代表選考前最後の強化試合を終えた後、候補選手全員に直筆の手紙を送っている。第1回大会の王貞治監督、第2回大会の原辰徳監督ともに、主力選手や追加招集した選手に電話をかけて期待を伝えたことはあったが、全員とここまで丁寧にコミュニケーションをとる監督は初めてではないか。
そういえばちょうど20日前、一部選手を先行発表した際に栗山監督と並んで登壇した大谷翔平投手は、指揮官について聞かれてこう評していた。
「本当に一人一人の選手と対話する監督。あまり一緒にプレーしたことない選手も数日でお互いを知ることができるんじゃないかな、と思いますし、そういう雰囲気を持っている監督だと思うので、集まる選手は何の不安もなくプレーできるんじゃないかと思います」
この“選手ファースト”の姿勢こそ、日本ハム監督時代、数々のスター選手を操縦してきた栗山流の真骨頂だろう。
最多4人…ヤクルトGMに「電話の内容」
抜かりがないのは、その気遣いが選手本人にとどまらないことだ。実は昨年末から1月上旬にかけて、栗山監督はNPB各球団の監督と編成担当者に直接、連絡を入れている。例えば今回発表された代表で巨人とともに最多の4選手を供出しているヤクルトの小川淳司ゼネラル・マネージャーには、こんな言葉で平謝りしたという。