ヌートバー母が明かす“栗山監督とのWBC面談”「髪のセットも化粧もなにも（笑）」飛び入り参加の舞台裏…では父が考える「適正打順」は？

ヌートバー家。（後列左から）長男・ナイジェルさん、父・チャーリーさん、ラーズ選手、（前列左から）長女・ニコールさん、母・クミさん（提供=クミさん）

すべての写真を見る（44枚）

コロナ中断時に「アルバイトをやりなさい」

――2018年のMLBドラフトでラーズ選手はセントルイス・カージナルスに入団しました。

クミ　マイナーリーグ時代は「ヌートバー」という名前が珍しいらしく、選手としての力より名前が先に知れ渡った感じでした。入団2年目の20年にはマイナーが新型コロナでシャットダウン（中止）しましたし、心配事も多かったですね。

――特にマイナーリーグはシビアな世界といいますしね。

クミ　ただその20年、ラーズは大学4年生（※）でもあったので、その期間を勉強に当てることができました。もちろん、リーグ再開に向けてトレーニングを続けながら。その時ラーズが、アルバイトをしようか迷っていたんです。だから「やりなさい」って言って。週6日、朝4時に起きて航空宇宙企業で肉体労働に励んで、帰ったら昼ごはんを食べながらオンライン授業を受ける。それが終わったらトレーニングをして……と色々やってましたね。

※編注：MLBドラフトの一つの形式として、大学生は3年生終了の時点でドラフトの対象になる。指名を受けた選手は大学を中退してプロ入り、あるいは大学に籍を残してオフシーズンに学んで卒業するなどの選択ができる。ラーズ選手の場合は後者

高校時代のラーズ選手。他にアメフトにも励んでいた ©Getty Images

――アルバイトをやりなさい、と言った真意は。

クミ　コロナで野球ができないとはいえ、ダラダラさせたくなかったんです。それに今のうちに少しでも社会を経験した方がいいという考えもありましたね。野球でうまくいかなかったときのことを少しでも考えておいたほうがいい。セカンドキャリアのイメージをもたせるというか。結構私、昭和の人間なんで、現実的というか厳しいんです、やっぱり。

【次ページ】　最初に“ウワサ”を聞いた時「あるわけないじゃん」