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「森保Jは“読みにくい”チームになった」中村憲剛が招集メンバーを分析 「4-3-3」と「五輪組」が対戦国の悩みのタネに?
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byJMPA
posted2021/11/06 17:03
ぶっつけ本番の「4-3-3」で勝利を手繰り寄せたオーストラリア戦。システムの選択肢が広がり、さらに新戦力を加えたことで、ベトナムやオマーンにとっては“日本対策”が難しくなった
いずれにしても、気候を考えると2試合ともに消耗戦になることが想定されるだけに、交代選手をうまく使いながら乗り切っていくことが必要です。
リーグ連覇を決めた「フロンターレ組」にも注目
今回はJリーグのクラブからの招集が増え、川崎フロンターレから谷口彰悟、山根視来、旗手の3人が招集されました。
フロンターレは昨シーズンから4-3-3で戦っています。オーストラリア戦で4-3-3にある程度の手ごたえをつかみ、本格的にこちらの戦い方も導入したいとなったときに、4-3-3を理解している選手が多いことはメリットになります。守田英正、田中碧、三笘もフロンターレでプレーしていたので、戦術を浸透させるスピードを上げることが期待できるでしょう。4-3-3のベース作りにも貢献できるはずです。
山根は右サイドバックですが、このポジションには酒井宏樹と室屋成がいます。そのうえで山根を招集したのは、違うタイプのサイドバックを手元に置きたかったのかもしれません。
酒井はサイドハーフの外側を回ってクロスを入れる、というイメージの選手です。左サイドバックの長友佑都も同様ですが、4-3-3のサイドバックにはインサイドハーフをサポートする動きがより求められます。山根にとってはフロンターレで求められている役割ですから、戸惑うことはありません。
サイドバックとインサイドハーフでプレーできる旗手も、4-3-3の特徴を理解したうえで立ち位置を取れます。彼は初招集ですが、東京五輪で吉田や冨安健洋、遠藤航らとプレーしている。コンビネーションのベースはすでにあります。そう考えると、彼らふたりが起用されても驚きではありません。
「負けられない」ではなく「勝たなければいけない」
今回は勝たなければいけない2連戦です。森保監督以下スタッフと選手たちに不必要なプレッシャーをかけたくないですが、「負けられない」ではなく勝たなければ厳しくなる戦いなのです。選手全員が理解していると思いますが、最大勝点の「6」を取らなければいけない戦いになります。
10月のオーストラリア戦で流れを変えるきっかけを得て、今回の2試合で更にアクセルを踏み込んで加速できるか。日本代表にとって大きなターニングポイントになるこの2試合で、来年1月以降の後半戦につなげるためにも、しっかりと勝ち切ってほしいです。
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