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「森保Jは“読みにくい”チームになった」中村憲剛が招集メンバーを分析 「4-3-3」と「五輪組」が対戦国の悩みのタネに?
posted2021/11/06 17:03
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph by
JMPA
勝負の連戦に挑む日本代表のメンバーが発表された。カタールW杯アジア最終予選の第5戦として11月11日にベトナムと、第6戦として16日にオマーンと対戦する。いずれもアウェイゲームであり、「途中で選手を入れ替えるのは難しい」ことから、森保一監督は最終予選で過去最多の28人を招集した(所属するPSVで実戦復帰した堂安律は追加招集)。
元日本代表の中村憲剛氏に、メンバー選考の意図を読み解いてもらう。
◆◆◆
これまでの日本代表は、システムも先発もある程度予想しやすいところがありました。4-2-3-1でこの11人がスタートだろうな、と。相手からすると比較的「読みやすい」チームだったのではないかと思います。
しかし前節のオーストラリア戦で4-3-3を採用したことで、今回はシステムも先発もいくつかの選択肢を準備することが可能になりました。これは大きなメリットでしょう。しかも、9月、10月の最終予選に呼ばれていない三笘薫、上田綺世、前田大然、旗手怜央らが招集されています。ベトナムとオマーンからすると、日本代表で戦っているデータのない選手です。
ベトナムのパク・ハンソ監督も、オマーンのブランコ・イバンコビッチ監督も、日本のスカウティングにはこれまで以上に時間をかけることになり、4-2-3-1と4-3-3のどちらにも対応できるような準備をしなければならない。ピッチに立つ前から、相手を悩ませることができているのです。
「4-3-3」を継続するべきか、否か
日本のシステムは4-2-3-1なのか、4-3-3なのか。
あるいは、3バックなのか。
森保監督は相手をしっかりと分析したうえでシステムを決めるでしょうし、ベトナムが5バックなら4-2-3-1でもいいでしょう。ベトナムが4-3-3を予想してくると考えて、相手の裏をかいて4-2-3-1を選ぶ、という考え方も選択できます。複数のシステムを持っていることで、こうした駆け引きができるようになりました。
また、中盤の守備を分厚くしなくてもいいと判断すれば、4-2-1-3でもいいかもしれません。ダブルボランチにして鎌田大地をトップ下に置き、3トップにすれば、攻撃の迫力は確実に増します。