欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
逮捕報道から4カ月…佐野海舟はドイツで今「めっちゃいい。海舟がかなり回収してる」板倉滉も認めた10戦連続先発の理由「日本代表スタッフも視察」
posted2024/11/23 17:02
text by
林遼平Ryohei Hayashi
photograph by
Getty Images
ひたむきな努力の成果がピッチに表れ始めている。
ブンデスリーガ第10節のドルトムント戦。23歳の佐野海舟はピッチを縦横無尽に走り回った。ドイツを代表する強豪クラブを相手に、中盤の球際バトルで圧倒すれば、54分には見事なロングフィードから得点の起点になるなど攻守に存在感を発揮。いまひとつ勝ち切れていなかったチームを勝利に導いてみせた。
このパフォーマンスを、長年ドイツ国内におけるサッカー専門誌売り上げ1位を誇る『キッカー』や大衆紙『ビルト』など多くの現地メディアが高く評価。インターナショナルマッチウィーク直前の試合を最高の形で締めくくることに成功した。
これで開幕から10試合連続で先発出場。加入1年目では、立派な数字だろう。
ただ、新天地に舞い降りて約3カ月半――不動の地位を確立しつつある佐野だが、ここまでの歩みは決して簡単ではなかった。
逮捕→不起訴処分も合流が遅れ…
今年7月に鹿島アントラーズからマインツへの移籍が発表された後、日本に一時帰国している最中に不同意性交の疑いで逮捕された。その後、釈放され不起訴処分となったが、新天地への合流は遅れ、マインツのサッカーやブンデスリーガの舞台に馴染むまでに時間がかかった。
リーグ開幕前に行われた国内カップ、DfBポカールでの活躍によりブンデスリーガデビューを開幕スタメンで飾ったが、このウニオン・ベルリン戦では自身の長所であるボール奪取で存在感を発揮できず。74分には相手に食いつきすぎ、プレスをかわされたところからミドルシュートを沈められた。結局、この失点が尾を引いてチームもドロー決着。ほろ苦い船出となった。
試合後、佐野は「チームの力になれなかったので、ただただ悔しい」と思いを明かしつつ、これまで戦っていたJリーグとブンデスリーガの違いを口にしていた。