第95回箱根駅伝(2019)BACK NUMBER
王者は盤石、シード権争いは熾烈な戦いに?
区間配置から読む第95回箱根駅伝。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byAFLO
posted2018/12/31 12:00
前回大会1区。区間エントリー後もスタート直前まで各チームの読み合いが続く。
往路重視の3校の戦略とは?
オーソドックスに往路を重視したのは、神奈川大学、明治大学、中央大学。
神奈川大学は1区に山藤篤司(4年)、2区に越川堅太(3年)を配置し、ここで上位を確保したい。また、明治大学は10000mの上位10人の平均タイムが28分50秒54で、このタイムは青山学院大学に続く2位。11月にグッとスピードの強化を進めたことがうかがえ、選手は自信を深めているだろう。
ただし、今回のトレンドとして、東海大学、神奈川大学などはトラックを捨て、ロードでの練習に注力している。とある大学の監督は、
「11月に一度10000mでピークを作ってしまうと、反動があるんです。いま、箱根駅伝までの強化プロセスで、各校が試行錯誤しているところです」
と話しており、明治大学の強化プロセスが箱根駅伝にどう影響するかを見るのも楽しみである。
シード権争いは大手町まで秒差の争い!?
また、中央大学、早稲田大学は補欠に主力をたくさんプールしており、どの区間に札を切ってくるのか読みづらい状態。
中央大学は中山顕(4年)、舟津彰馬(3年)をどの区間で起用するかがポイント。
早稲田大学は想定されていた区間配置とは大きく違っており、ふたを開けてみなければ分からない。出雲、全日本と苦戦が続いただけに、早稲田大学のファンには心配な新春となるだろう。
シード権確保を狙う大学は、9区、10区にある程度主力を残しておく必要があるので、往路は中団から取り残されないことが重要になる。ひょっとしたら、最後の大手町まで秒差の争いになるかもしれない……。
そんな予感さえする。