第95回箱根駅伝(2019)BACK NUMBER
王者は盤石、シード権争いは熾烈な戦いに?
区間配置から読む第95回箱根駅伝。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byAFLO
posted2018/12/31 12:00
前回大会1区。区間エントリー後もスタート直前まで各チームの読み合いが続く。
どの区間でも挽回可能な布陣に!
そして5区、6区の特殊区間は経験者の竹石尚人(3年)、小野田勇次(4年)と万全の陣を敷き、7区に前回の金栗四三杯受賞者である林奎介(4年)が控え、9区に出雲、全日本大学駅伝で区間賞を獲得した吉田圭太(2年)、10区にも安定感のある吉田祐也(3年)が控える。
分厚い。
主将が走れなかったとしても、保険が幾重にも効いている。よしんば、4区までに遅れを取ったとしても、竹石、小野田、6区終了時点で後塵を拝していたとしても7区には林がいる。
たとえ、森田が欠場になったとしても、冷え込みが予想される2日の往路でトラブルがなければ、箱根駅伝5連覇、今季の学生駅伝三冠の確率は極めて高いと見る。
東洋大学は両エースをどこで使う?
何重にもかけられた保険をぶち破り、青山学院大学にアラートを発動させられる大学はどこか? やはり、東洋大学と東海大学しかないだろう。
東洋大学は1区に前回の区間賞を獲得した西山和弥(2年・ただし今季は不調)を置き、勝負どころの3区に吉川洋次(2年)、復路の重要区間である7区に主将の小笹椋(4年)を配置した。
そして主力の山本修二(4年)と相澤晃(3年)は補欠。さて、この両エースの札を酒井俊幸監督はどこに切ってくるかが注目点である。
順当ならば、前回同様に相澤を2区に置いて青山学院大学の森田と勝負させ、吉川がつなぎ、4区に山本という流れになれば、主導権を握れる可能性がある。
そして、過去の取材経験に照らし合わせるならば、酒井監督が優勝を狙う時は、7区に主力を置く。駅伝に強い小笹をここに持ってきたのは、酒井監督の意志表明と見る。
青山学院大学を逃がしはしないぞ、と。
5区、6区で後手を踏んだとしても、もう一度ここで粘る算段だろう。
酒井監督らしい、とても攻撃的な布陣になり、今回の箱根駅伝の楽しみが増えた。