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CL決勝トーナメント見所総まとめ。
大規模監督交代が生んだ因縁を読む。 

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田邊雅之

田邊雅之Masayuki Tanabe

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posted2013/12/17 12:20

CL決勝トーナメント見所総まとめ。大規模監督交代が生んだ因縁を読む。<Number Web> photograph by AFLO

スイスはニヨンにあるUEFA本部にて行なわれた抽選会の、組み合わせ結果発表の画面。ベスト16ともなると、ほぼどの対戦にも優勝候補が絡んでくる。

モウリーニョは、今年もガラタサライと対峙する。

 そのアーセナルをプレミアリーグで追走するチェルシーは、ガラタサライと対戦する。

 チェルシーのモウリーニョ監督は、昨シーズンはレアル・マドリーの監督として、準々決勝でガラタサライと対峙している。今シーズンも昔の教え子(ドログバ、スナイデル)と相見える形になるし、特にドログバがスタンフォード・ブリッジに姿を現すのは、チェルシーを退団してから初めてとなる。さらに述べれば、ガラタサライの新監督であるマンチーニと、チェルシーに復帰したモウリーニョには、インテル絡みの因縁もある。

 ドライでリアリスティックな試合運びと、ウェットな人間ドラマの組み合わせという、モウリーニョ独特のゲームの味付けを堪能したい。

 イングランド勢の残る1チーム、マンチェスター・ユナイテッドはチェルシー以上にクジ運に恵まれた。もともと今シーズンのCLでは、国内リーグの順位とCLにおける成績が一致しないチームが散見される。ユベントスなどはその一つだが、ユナイテッドも典型例になっている。現にグループリーグの首位通過が決まった際、モイーズ監督には成績のアンバランスさに関する質問が集中した。プレミアではまだまだ本調子とは言い難いだけに(12月17日時点で8位、以下同)、オリンピアコス戦で勝利を収めるのは至上命題になっている。

国内では苦しんでいるミランが、セリエ唯一の生き残り。

 むろん、イングランド勢が絡んだ試合以外にも、興味を引かれるカードや文脈は多い。ACミラン対アトレティコ・マドリー戦などは、セリエとリーガそのもののパワーバランスを見極めていく上で示唆に富む。

 ユベントスがガラタサライに敗れたために、ミランは唯一のイタリア勢になった。しかもミラン=イタリアの顔役ではない点が、問題を一層複雑している。現に国内リーグではユベントスが独走しており、ミランはプレミアにおけるユナイテッド並に喘いでいる(10位)のが実情だ。

 逆にシメオネ監督率いるアトレティコは、「リーガの3番手が、CLでどこまで存在感を示せるか」という格好のテストケースにもなっている。「ドイツ時代の到来」が指摘される中、実は昨シーズンも8強に勝ち進んだチームの中で一番多かったのはスペイン勢だった(バルサ、レアル、マラガ)。

【次ページ】 シャルケ内田の相手はレアル。日本人対決はなるか。

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