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藤浪晋太郎30歳が告白する「ストレスで自律神経失調症のような症状に…」阪神5年目に異変“ストライクが入らなくなる”苦悩「歯がボロボロと崩れる夢を」 

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中村計

中村計Kei Nakamura

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posted2025/03/29 11:05

藤浪晋太郎30歳が告白する「ストレスで自律神経失調症のような症状に…」阪神5年目に異変“ストライクが入らなくなる”苦悩「歯がボロボロと崩れる夢を」<Number Web> photograph by NumberWeb

2月末、キャンプ地のアリゾナで取材に応じた藤浪晋太郎(マリナーズ)

 そこでつくづく感じたのだが、何がイップスで何がイップスでないかを定義することは恐ろしく難しいということだ。藤浪のコントロールの悪さはイップス的だと言うことは可能だが、もっと深刻な症状に悩まされているアスリートたちに比べたらごくごく軽度だ。

 本人も自分なりにイップスのことを調べたそうで、同じような認識だった。

「世間で言われているようなイップスとは、ちょっと違うな、と。体が動かないなんてこともないですし、マウンドにも上がれているので。イップスの定義ができない以上、なんとも言えないところもありますけど、イップスというカテゴリに入るのだとしたら、浅いところだとは思います」

藤浪に聞く…阪神で何があったのか

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 藤浪がかつての藤浪でなくなってしまった理由。それは巷間で言われるイップス的な症状が出たというよりは、北條が指摘したように気にするかしないかという小さな心の染みのようなものにあったのだと思う。ただ、その染みがだんだんと大きくなってしまった。

 こちらの勝手な思い込みなのかもしれないが、その要因とされる阪神時代の藤浪にまつわるエピソードは触れにくいものが多かった。それらの報道の多くは匿名の関係者コメントや憶測で構成されていて、いったい何が真実で何が真実でないのか判別できなくなっていた。

 私は藤浪の胸に聴診器を当てるような気持ちで、慎重に質問を重ねた。

〈つづく〉

#3に続く
「藤浪は野球をナメている」藤浪晋太郎が阪神で感じた“空気”「四球出したくて出してるわけじゃない」「心が削がれて…」救われた野茂英雄の“ひと言”

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