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野球のぼせもんBACK NUMBER
“4272日ぶり最下位”王者ソフトバンクの異変…現場で何が?「甲斐拓也の巨人移籍」「近藤健介の手術」はあれど…番記者が見た“力負けしている”現実
posted2025/04/07 17:00

“4272日ぶり最下位”に沈んだソフトバンク。現地記者が見た王者の異変とは
text by

田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
JIJI PRESS
昨季のリーグ王者、ソフトバンクが苦しんでいる。シーズン序盤とはいえ、じつに4272日ぶりのパ・リーグ単独最下位に沈んだ。チームで何が起きているのか。番記者が見たチーム状況、2月時点で感じていた“異変”とは。【全2回の1回目】
前年パ・リーグ王者のソフトバンクがどうしたことか、いきなり大きく躓いた。
4272日ぶり最下位…王者の異変
開幕カードのロッテ戦は3タテを食らった。開幕3連敗は、引き分けを挟んだ場合は1990年以来(福岡移転後2年目のダイエー時代)で、3戦全敗となれば1988年(南海最終年)まで遡る。また、このロッテ3連戦はみずほPayPayドームで行われており、すべて本拠地に限った開幕3連敗と、開幕同一カード3連敗は、いずれも球団史上初の屈辱となった。
2カード目初戦の4月1日の日本ハム戦(エスコン)で今季初勝利を挙げたものの翌2日は敗戦と波に乗れない。そして地元福岡に戻って4日、この時点で今季未勝利だった西武と対戦したが0-6と完敗を喫して西武と入れ替わり単独最下位に転落した。ソフトバンクがパ・リーグ順位表で「6位」になったのは2013年7月24日以来、じつに4272日ぶりという事態だった。
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ソフトバンクの様子がおかしい――異変は早々に感じていた。まずは開幕2試合目、3月29日のロッテ戦だ。
象徴的な“シーン”…完全な力負け
この日は1点リードの5回表にロッテ・岡大海に3ランを浴びて逆転されたものの、直後の5回裏に柳田悠岐が「3ラン返し」の1号本塁打をお見舞いしてすぐさま試合をひっくり返すことに成功する。4-3と主導権を取り返したかに思えたが、またまた直後の6回表、2番手の杉山一樹がロッテ・ソトにソロ本塁打を許して同点に。結局、4-4のまま突入した延長10回表に6番手の藤井皓哉がロッテ・岡に決勝打を献上して4-5で競り負けたのだった。