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立浪監督の誤算…中日“3年連続最下位”を小笠原道大はどう見たのか?「3年では足りなかった」じつはあった“変化の兆し”「去年、一昨年と比べると…」
posted2024/10/23 11:50
text by
曹宇鉉Uhyon Cho
photograph by
Kiichi Matsumoto
古巣・巨人の優勝に「他のチームが普通にやっていたら…」
――まずは小笠原さんの古巣でもある巨人のセ・リーグ優勝(※取材後、CSで敗退)の要因について伺えればと思います。
小笠原道大(以下、小笠原) 一番は、ざっくり言ってしまえば粘り強かった。現有戦力をうまくローテーションさせて、機能させていったというところですね。もちろんそこには付随する要素がいろいろあって、広島の“大失速”もそのひとつです。今年のセ・リーグは各チームにそれぞれ、浮上するタイミングと落ちていってしまうタイミングがあった。我慢比べのような展開になったときに、ジャイアンツは選手の経験面でアドバンテージがあった、ということだと思います。
――投手陣には菅野智之と戸郷翔征という明確な柱がいて、野手陣も岡本和真、吉川尚輝、丸佳浩という経験のある選手たちがチームを引っ張りました。
小笠原 ピッチャーでいうと菅野は文句なしの働きでした。岡本、吉川も本当にチームを引っ張っていける選手になった。ちょっと(坂本)勇人はね……。上手くいかなかった面もあるんだけど、シーズンの最後までどうにか粘っていって。彼の場合は、存在そのものが大事というか、ベンチにいるだけで価値がある。中堅やベテランの選手が軸として頑張りつつ、阿部(慎之助)監督がその時々で調子のいい若手や外国人選手を的確に当てはめていった。そうしてチームが機能していたように見えました。ずっとうまくいっていたわけではないけど、他球団と比べたときにチームとしてのスタミナがあったのかな、と。
――たしかに、失点数はリーグ最少でしたが、得点数は4位と圧倒的な強さを見せたわけではない。
小笠原 今年にかぎって言えば、他のチームが普通にやっていたら勝てなかったですよ。たとえば広島。あれだけ勢いがあったのに、最後に息切れしてしまった。