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「三笘さん、解説させてくれてありがとう」三笘薫の新語で話題…鄭大世に聞く“ミトマ無双の楽しみ方”「韓国でも『ミトマ』は注目の的」
text by
鄭大世Chong Tese
photograph byGetty Images
posted2023/02/11 17:00
現地時間2月4日に行われた第22節のボーンマス戦で決勝ゴールを決めた三笘薫。鄭大世さんが解説を担当した試合では「3戦連発」となった
僕は現役時代、慢心しやすい一方で、うまくいかないときに強迫観念的に自分を追い込むところがあって、調子の振れ幅が大きかった。その点、三笘はメンタルがほとんどブレないタイプのように見えます。こういう選手は落ち込みすぎないし、慢心も生まれにくい。必ずやってくる不調時のマイナスを小さくできるので、多少停滞することがあってもその要因をしっかりと分析して、またすぐに活躍してくれるんじゃないでしょうか。
「三笘はジョーカーだよね」は起用する側の固定観念
そう思えるのは、三笘が途中出場でもまったくふてくされず、利己的にならないからです。カタールW杯アジア最終予選のオーストラリア戦(2022年3月24日)なんて、見ているこっちが「森保監督、もっと早く出してよ!」って思うくらいだったのに、本人は悠然としていて、残り10分しかなかったのに2点決めた。あらためて、とんでもない選手だと思いましたよ。
振り返ればフロンターレ時代も常にスタメンというわけではなかったし、カタールW杯でも全試合途中出場。試合に出たらほぼ確実に結果を残しているのにベンチなのは、選手からすればキツいですよ。これは起用する側の「三笘はジョーカーだよね、途中からだよね」という固定観念でしょう。ブライトンでも最初はそうでしたが、デゼルビという最高の監督と出会って一気に変わりました。いまやプレミアでまったく代えのきかない選手になった。本人の努力は言うに及ばずですが、成功のカギを握るのは、やはり人との出会いなんでしょうね。
少しブライトン全体の話をすると、デゼルビのもとで、選手たちはまったくミスを恐れずにプレーしているように見えます。「シーズン10点取れ」「もっとできる」と三笘やソリー・マーチをポジティブに煽って、褒めるべきところはしっかりと褒める。戦術面の評価が高いですが、モチベーターとしてもすごく好きなタイプの監督です。