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「三笘さん、解説させてくれてありがとう」三笘薫の新語で話題…鄭大世に聞く“ミトマ無双の楽しみ方”「韓国でも『ミトマ』は注目の的」

posted2023/02/11 17:00

 
「三笘さん、解説させてくれてありがとう」三笘薫の新語で話題…鄭大世に聞く“ミトマ無双の楽しみ方”「韓国でも『ミトマ』は注目の的」<Number Web> photograph by Getty Images

現地時間2月4日に行われた第22節のボーンマス戦で決勝ゴールを決めた三笘薫。鄭大世さんが解説を担当した試合では「3戦連発」となった

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鄭大世

鄭大世Chong Tese

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「ミトマジック」「ミトマってる」「ミトマらない(止まらない)」――ABEMAのプレミアリーグ中継で、独特の造語を用いた解説が好評を博している元北朝鮮代表FWの鄭大世(チョン・テセ)さん。解説を担当したリーグ戦で三笘薫が3試合連続ゴールを決めたことも手伝って、テセさん発の“ミトマワード”の認知度も増すばかりだ。川崎フロンターレの後輩でもある三笘のプレーは、なぜこんなにもテセさんのエモーションをかき立てるのか。2022年に現役を退いたばかりの新たな名物解説者が、Number Webで「ミトマの魅力」を語り尽くす。

なぜ三笘薫はこんなにもワクワクさせてくれるのか

 なぜ人は三笘薫のプレーにワクワクするのか。まずはやっぱり、あのドリブルでしょうね。たとえば、みんな『キャプテン翼』のようなマンガが好きじゃないですか。幼少期から「サッカー=ドリブル」という刷り込みがあり、視覚情報としてもスゴさや面白さがわかりやすい。そのドリブルにおいて彼は圧倒的なスキルを持っていて、なおかつゴールまで決めてしまうわけですから。

 この表現が正しいかわかりませんが……なんというか、非常にいい意味で“時代錯誤な存在”なのかな、と。昔のようにドリブラーが活躍できるスペースは現代のサッカーにはないし、どのチームも戦術でガチガチにハメてくる。ファンタジスタが生まれにくい時代にあって、三笘薫は個で“無双”できてしまう。Jリーグでもそうでしたし、日本代表の試合でも、世界最高峰のプレミアリーグでもそれができる。こんな選手が日本から出てきたんだから、「ワクワクしないでどうする!」って話ですよ。

 第22節のボーンマス戦(現地時間2月4日)では、試合全体を通じてかなり厳しくマークされながらも、苦手なヘディングでゴールを決めました。これこそが乗っている証拠だな、と。自分の経験からしても、乗っているときは短所が気にならなくなるもの。ただ、このままずっと三笘の“無双状態”が続くかというと、それは少し難しいでしょうね。

 いまはすべてのボタンがうまくハマっている状態ですが、ほんのちょっとのボタンの掛け違いで、うまくいかなくなるときは必ずやってきます。そのときに「短所を改善するのか、長所に集中するのか」というジレンマに苛まれる。これはサッカー選手にとって、永遠といってもいい課題です。

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