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トルシエ「南野の復調が必要だ」元代表監督が語ったドイツ戦のキーマンと、グループリーグの日本の選手起用予想 

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田村修一

田村修一Shuichi Tamura

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photograph byGetty Images

posted2022/11/22 17:02

トルシエ「南野の復調が必要だ」元代表監督が語ったドイツ戦のキーマンと、グループリーグの日本の選手起用予想<Number Web> photograph by Getty Images

ドーハで日本代表のトレーニングに参加した南野。トルシエはドイツ戦のキーマンに指名した

——9月の2試合で森保監督は、初戦のアメリカ戦と次のエクアドル戦ではメンバーをすべて入れ替えました。アメリカ戦がAチーム、エクアドル戦がBチームといえる陣容です。本大会はドイツ、コスタリカ、スペインの順で、すべてを同じスタメンで戦うのは厳しいと判断してのことでしょうか。疲労も出てくるし、コスタリカ戦は引いて守る相手から点を取らねばならないことも想定できます。グループ全体で3試合をトータルに戦うことを考えているのでしょうか?

トルシエ アメリカ戦とエクアドル戦は、選手のリスト作成のための試合であったと思う。森保は選手たちを把握している。ドイツ戦に誰を先発させるかは、すでに彼の頭の中にある。私たちもまたどんなスタメンになるかわかっている。

日本代表は十分に経験を積んだ

 繰り返すが経験豊富な成熟したチームだ。ドイツ戦は権田に酒井、冨安、吉田、長友、守田、遠藤、鎌田、伊東、浅野、南野で臨むだろう。たしかに南野は調子を落としているが、彼が優れた選手であるのに変わりはない。ドイツ戦には彼の復調が必要だ。相手に恐れを抱くことなくボールを保持する能力が。そして森保は、ドイツに勝つために前田や堂安、田中、三笘、久保らを試合途中で起用することができる。中盤では柴崎を投入できる。それがドイツ戦の日本だ。

 つまりアメリカ戦やエクアドル戦はスタメンを決めるための試合ではなかった。森保のなかでそれはすでに固まっており、エクアドルとの第2戦は久保や堂安らを信頼していることを、森保がメッセージとして発した試合だった。あの2試合は、日本が何かを発見するための試合ではなかった。森保はすでにチームを把握しているからだ。選手にメッセージを与え、彼らにプレーする時間を与えるための試合だった。

 ただこの2試合を通じて、森保は誰が左ウィングとして適任かといったディテールを決めたかも知れない。南野のポジションは彼でなければ相馬にするのかそれとも三笘にするのか。中盤には原口や旗手が使えるのか……。そういった決断を彼はあの2試合でしたかも知れない。選手にプレー時間を与えて信頼感を示す試合であったと同時に、まだリスト入りが決まっていなかった3~4人を選ぶための試合でもあった。あの2試合はメンバー選考のためにあったと言える。

<#2に続く>

#2に続く
「日本のアドバンテージは攻撃でふたつのユニットを組めること」トルシエがドイツ戦の可能性を50:50だと語る根拠とは?

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