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トルシエ「南野の復調が必要だ」元代表監督が語ったドイツ戦のキーマンと、グループリーグの日本の選手起用予想
posted2022/11/22 17:02
text by
田村修一Shuichi Tamura
photograph by
Getty Images
フィリップ・トルシエにカタールW杯における日本代表の展望と大会全体の展望を聞いたのは、大会が始まる数日前の11月15日のことだった。本来であればトルシエは、この時期、日本にいるはずだった。グループリーグの期間を日本で過ごし、セカンドラウンド以降はカタール協会の招きで現地へ。そして大会後にはベトナムを訪問するのが当初の予定だった。
ところが、長い間完治しなかった膝がさらに悪化し、ついに手術をしなければならない事態に。予定をすべてキャンセルし、手術に臨んだのは大会が始まってからだった。手術そのものは成功したが、術後もしばらくの間は飛行機による移動は禁止された。来日はもちろんカタール行きも難しい。ただベトナムは、ベトナム協会と今後のことを話し合うために、いずれ訪れなければならないのだが……。
ただしフランスにいても、W杯のすべての試合を彼は見ることができる。もちろん試合の後にインタビューに応じることも。カナダ戦後のインタビューでも記したように、カタール大会でもロシア大会同様にトルシエのインタビュー連載を掲載する。
興味深いのは、カタールの不振など大会前の彼のコメントの一部が、現実になっていることである。それでは日本代表に関してはどうなのか。トルシエの分析と展望を3回にわけてお届けする。まずはその第1回から。(全3回の1回目/#2へ)
日本代表は2つのグループに分けられる
——日本代表の26人のリストはご覧になりましたか?
トルシエ 最初の印象は、チームが幾つかのグループに分けられることだ。第1のグループは試合を始める選手たちで、経験豊富な15~16人ほどで構成されている。彼らがスタメンを構成する選手でもある。つまりGKは権田(修一)でDFラインは酒井(宏樹)、吉田(麻也)、冨安(健洋)、長友(佑都)。板倉(滉)も入るかも知れないが、彼らが試合をスタートさせる選手であることは誰もがわかっている。中盤では遠藤(航)と守田(英正)、鎌田(大地)。それから田中(碧)と柴崎(岳)も……。前線では伊東(純也)、浅野(拓磨)、南野(拓実)、堂安(律)、久保(建英)……。